発酵調味料である醤油を海外市場向けに粉末化。日本食以外にも汎用性のある調味料を、小麦不使用の減塩醤油で、グルテンフリーの需要が高く健康志向の強い海外市場向けに開発しました。(開発商品:小麦なし旨味調味料/商品形状:粉末)
CASE01
海外向け減塩UMAMIの開発
Case01
課題
ヘルシー指向のアメリカ人のために塩分の少ない「UMAMI」を開発したい
日本人の1日平均摂取カロリーが約2,800kcalなのに対し、アメリカ人のそれは約3,800kcal。1日の塩分摂取量の比較では欧米が8~10gであるのに対して、日本は11~13gと、WHO(世界保健機関)が推奨する6g未満をいずれも上回っています。塩分過多を改め、食生活を根本から見直す指向は、今や世界共通の課題と言えるでしょう。そこで注目を集めているのが減塩食品ですが、いかに正しくても、おいしくなければ選ばれないのが食品の道理です。健康のために減塩食品が望ましいからこそ、もっとおいしく食べられる工夫は出来ないものだろうか…?
冷凍ハンバーガーでもおいしくヘルシーにして驚かせたい
ファストフードやテイクアウトの利用が日常的になっているアメリカでは、手軽に冷凍食品で食事を済ませようとする需要も多く、スーパーでは冷凍食品のハンバーガーが定番商品となっています。しかし、できたて風味が得られない冷凍ハンバーガーは、深みのない味わいで今ひとつおいしくありません。なんとかこの冷凍ハンバーガーをおいしく出来ないものだろうか…。
NIKKENの天然調味料でさりげなくおいしさをアップさせる
そこでNIKKENの研究開発チームがまず考え出したのが、ソイソース(醤油)を加える発想。日本食では、何か一味足りない時に醤油を加えると格段においしくなることがあります。アメリカでも醤油が日本の「UMAMI」として受け入れられ、一般家庭にも広く浸透しつつあります。ところが小麦由来には食物アレルギーの問題が…。
研究開発
小麦アレルギーを起こさないヘルシーな調味料を作るには
アメリカではアレルギーを持つ人が日本以上に多く、特に小麦アレルギーに対しては厳しい見方をされる現実があります。小麦と大豆を主原料とする醤油にとって、これは難題。理想的な醤油ベースの調味料を作るには、原料から小麦を取り除かなければなりません。開発陣は小麦を使わない醤油を探し回り、醤油メーカーの協力も仰いで、ようやく小麦なし醤油を見つけました。それを液体のままアメリカに輸送するのでは重くなってコストが増し、保存性も悪くなるため、スプレードライヤー技術で粉末加工。現地の生産ラインへ送り届ける体制が確立しました。
成果
健康指向とファストフード好みの両方のニーズを満たす新商品誕生!
おいしさとアレルギー対策の両方の課題解決は、旨味調味料の工夫から。NIKKENの研究開発チームは、新開発の小麦なし旨味調味料をハンバーガーのパテに添加することで、減塩でしかも旨味を増すように調製したのです。その結果、お客様からは「肉との相性が良くなり味わいも深まる」と、高い評価を頂きました。健康指向を叶えながら、ファストフードが大好きな人々の嗜好にも真正面から応える、画期的な調味料がここに誕生したのです。
NIKKENでは、抽出・濃縮・乾燥・ブレンド技術などのノウハウと生産設備を活用した委託加工を承っております。エキス、粉末調味料のブレンドから、機能性素材のOEM(お客様ブランドでの商品化)まで。ご要望やご質問、ご提案等、お気軽にお寄せください。